脊柱管狭窄症は加齢を原因とすることが多く、主に50歳以降の中高年層で発症しやすくなります。
その理由は、加齢により背骨を構成する椎間板や靭帯が変性・変形してしまうからです。
また、背骨を支える筋力が衰えてくることも要因となります。
脊柱管狭窄症を予防するためには、背骨に負担をかけないようにしたり、背骨を支える筋肉を鍛えたりすることが効果的です。
今回は、脊柱管狭窄症を予防する具体的な方法と、発症した場合の治療方法などについて解説していきます。
監修:理学療法士・整体院札佳院長 菅原 慎平
脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症とは、脊柱(背骨)の中にある脊柱管が狭くなり、神経の圧迫や血流低下により特有の症状が出た状態のことです。
脊柱管を狭くする原因の多くは加齢によるもので、筋力の低下や椎間板・靭帯の変性などから引き起こされます。
主な症状は、しびれや痛み、間欠性跛行、坐骨神経痛などで、重症化すると排尿障害や排便障害などもみられるようになります。
脊柱管狭窄症の治療方法は大きく分けて2つ、保存療法と手術療法です。
保存療法では運動療法を中心に、薬物療法やブロック療法、理学療法などを組み合わせて行われます。原因や症状によりますが、まずは保存療法で経過を見るのが一般的です。
保存療法で症状が改善しなかったり悪化したりしている場合や、排尿障害・排便障害などがみられるときには手術療法を検討します。
脊柱管狭窄症の症状については、以下のページも併せてご覧ください。
脊柱管狭窄症の原因
脊柱管狭窄症を発症する原因には、先天性と後天性があります。
先天性は、生まれつき脊柱管が狭かったり、発育が進まない体質だったりといったものです。
一方、後天性には、加齢や生活習慣、腰椎に起こる病気などがあります。
さまざまな原因の中でも特に多いのが加齢です。
脊柱管のある背骨を構成するのは、椎骨・椎間板・靭帯ですが、加齢により変性した椎間板がとび出したり、たるんで硬くなった靭帯がせり出したりすることで脊柱管を狭くします。
また、加齢による筋力の低下も脊柱管狭窄症につながる可能性があります。
背骨は腹筋や背筋などに支えられてS字カーブの状態を保っていますが、筋力が低下すると背骨を支えられなくなり、負担が大きくなってしまうためです。
加齢による変化は、程度の差はあっても誰にでも起こることなので、脊柱管狭窄症にならないための予防が大切だといえます。
脊柱管狭窄症の原因について、詳しくは以下のページもご覧ください。
脊柱管狭窄症にならないための予防方法
脊柱管狭窄症にならないためには、背中や腰などに負担をかけないことや、柔軟性を保つことなどが必要です。
まずは、日常生活で行う動作などから意識してみましょう。
ここでは、脊柱管狭窄症を予防する具体的な方法を3つ解説します。
予防方法①脊柱管にかかる負担を分散させる
脊柱管狭窄症の多くは腰(腰椎)に発症します。
脊柱管にかかる負担を分散させるには、まずは腰への負担を考慮する必要があります。
特に気をつけたいのは、物を持ち上げるときの動作です。
下に置いた物を持ち上げるときに、膝を曲げずに腰だけを曲げて持とうとすると、腰への負担が大きくなります。
なるべく腰の位置を低くするよう、膝と股関節を曲げて腰を落としてから物を持ち上げるようにしましょう。
また、デスクワークや車の運転などで長時間同じ姿勢を続けることも、腰に負担がかかります。ときどき立ち上がって歩いたり、休憩を取ったりするようにしましょう。
予防方法②背骨を全体的に動かす
脊柱管狭窄症の予防には、背骨や背骨を支える筋肉の柔軟性を保つことが大切です。
日常生活の中でも、背骨を意識した動きを心がけてみましょう。
例えば、上を向いたり下を向いたりしたときに、首(頸部)だけが動いている人は要注意です。
背骨が動かず硬くなってしまうだけでなく、頸部脊柱管狭窄症を発症する恐れもあります。
背骨を柔軟にして首への負担も軽くするには、背中も一緒に動かすようにしてみてください。
ただし、背中を反らせる動作は脊柱管を狭くするので、上を向くときは軽く胸を張る程度に動かすほうがよいでしょう。
上や下を向くときだけでなく振り向く動作も同様です。体をひねるように動かして、背骨や筋肉の柔軟性を意識します。
予防方法③股関節や肩周りも意識的に動かす
背骨の動きを意識すると同時に、股関節や肩周りも動かすようにするとより効果的です。
背骨はS字にカーブした状態にあることで安定し、負担が少なくなります。
S字カーブを保つには、背骨を支えるお腹や背中、お尻、足などの筋力・柔軟性を高めることが重要です。
動作をするときには、背骨に近い股関節や肩甲骨なども意識的に動かし、背骨を支える筋肉が硬くなるのを防ぎましょう。
脊柱管狭窄症の予防方法〜やってはいけないこと〜
ここまでは脊柱管狭窄症にならないための予防法を解説してきましたが、もし発症してしまった場合は悪化を防ぐことが重要です。
まずは、脊柱管狭窄症の人がやってはいけないことを解説します。
- 腰を反らせる動作
背骨の構造上、腰を反らせる動作を行うと脊柱管が狭くなります。
脊柱管狭窄症を発症している人が腰を反らせると、脊柱管の中の神経がより圧迫されることになり、症状を悪化させる恐れがあります。
- 長時間行うウォーキング
脊柱管狭窄症の特徴的な症状に「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」があります。
間欠性跛行とは、しばらく歩くと腰から足にかけて痛みやしびれが現れ、休み休みでないと歩けなくなるといった症状です。
このことから、長時間行うウォーキングはおすすめできません。
- 無理に背筋を伸ばそうとする
背骨を柔軟に保つことや周りの筋肉を鍛えることはよいのですが、姿勢を良くしようと無理に背筋を伸ばすのはよくありません。
無理に背筋を伸ばそうとすると、腰を反らせる動作になり、神経を圧迫してしまいます。背筋を伸ばすときは、痛みの出ない程度にしておきましょう。
脊柱管狭窄症の予防方法〜やったほうがいいこと〜
ここからは、脊柱管狭窄症を予防する、または悪化させないために、やったほうがいいことを解説します。
日常生活や運動を行うときなどの参考にしてみてください。
- 脊柱管を広げるストレッチ
脊柱管狭窄症を悪化させないためにおすすめなのが、膝を抱えて行うストレッチです。
方法は、仰向けに寝て両膝を抱え、背骨を丸めるように意識しながら膝を胸に近づけます。このストレッチでは、背中や腰の筋肉をほぐし、脊柱管を広げる効果が期待できます。
- 症状が悪化しない程度の運動
痛みがひどいときには安静にしていたほうがよいですが、ずっと安静にしていると足腰の筋力が低下するため、かえって症状を悪化させます。
少し動けるようになったら、無理のない範囲で運動を行いましょう。
脊柱管狭窄症の人には、前かがみの姿勢で行える自転車こぎがおすすめです。
- 腹筋を鍛える
脊柱管狭窄症では、背骨を支える背中やお腹の筋力低下などから、腰椎が反り気味になっていることが多いです。
腹筋を鍛えて腰をしっかり支えられるようになると、腰椎を直線状に保つことができ、痛みなどの症状が軽減されます。
脊柱管狭窄症は食べ物で予防できる?
「これを食べれば予防できる!」ということではありませんが、食事を意識することも脊柱管狭窄症の予防には有効です。
特に肥満の傾向がある方は、食生活を見直してみましょう。
太りすぎは背骨に負担がかかる上、お腹に脂肪がつくことで重心が崩れ、バランスを取るために腰を反らせる姿勢になります。
適正体重を保つには、高カロリーの食べ物に注意するほか、栄養バランスにも気を配りましょう。
加齢にともなって減少してくる筋肉や骨量を補うために、たんぱく質やカルシウムなどの摂取を意識してみてください。
脊柱管狭窄症を予防する体操はある?
脊柱管狭窄症を予防する体操はいくつかありますが、ここでは脊柱管を広げる背骨・腰椎のストレッチをご紹介します。
- 両手を床について四つんばいになります。
- お腹を引っ込めるようにして腰を丸めながら、座る寸前までゆっくりとお尻を下ろしていきます。(腰は反らさないように注意してください。)
- 座る寸前でお尻がかかとについた状態をキープし、10秒数えます。(かかとにつかない場合は無理をせず、近づけるようにしましょう。)
脊柱管を広げるために、腰を丸めて行うことがポイントです。
脊柱管狭窄症を予防する筋トレはある?
背骨を支えているお腹・背中・お尻などの筋肉を鍛えることで、脊柱管狭窄症を予防できます。
今回は、お尻の筋肉トレーニングをご紹介します。
- 仰向けに寝て膝を立てます。
- 膝を閉じた状態のまま斜め前に突き出し、自然にお尻が上がるようにします。
- このとき、背中を床へ押し付けるようにすると腰が丸まり、腰への負担が減ります。
ポイントは、お尻を持ち上げないことです。
お尻を持ち上げようとすると、腰が反ってしまい、痛みが強くなる恐れがあります。
膝を突き出すことを意識して、自然にお尻が上がるようにしましょう。
脊柱管狭窄症は運動療法を取り入れた整体院での予防・治療が有効
ここまで紹介してきた予防方法をみてもわかるように、脊柱管狭窄症の予防・治療で中心となるのは運動療法です。
脊柱管狭窄症の運動療法は、整体院で受けることができます。
整体院では、予防や治療として運動療法を取り入れており、来院時の施術だけでなく自宅でもできる方法も教えてもらうことが可能です。
脊柱管狭窄症の症状改善には、硬くなった筋肉を柔らかくしたり筋力をつけたりすることが重要なため、日常的・継続的に運動療法を取り入れることは大変効果的です。
脊柱管狭窄症の治し方について、以下のページも併せてご覧ください。
整体院では運動療法で痛みを緩和
整体院で行われる脊柱管狭窄症の運動療法には、ストレッチや体操などがあります。
脊柱管狭窄症の改善には、背骨を支える筋肉を鍛えることが有効です。
ストレッチで硬くなった筋肉をほぐし、体操を取り入れて鍛えていきます。
筋力を上げることで背骨にかかる負担を軽減し、脊柱管狭窄症による痛みやしびれを緩和します。
自宅でできる無理のない運動方法を提供
整体院では来院時に施術を行うほか、自宅でも簡単にできる運動方法を提供しています。
運動療法を自宅でも行えるようになれば、日常的に継続することが可能になり、脊柱管狭窄症の予防や悪化防止の効果が高くなります。
また、急に痛みが出たときや、なかなか来院できないときなどでも、運動療法による症状の緩和方法を知っていると安心です。
脊柱管狭窄症の治療なら整体院札佳へ
脊柱管狭窄症の予防や悪化防止には運動療法が有効ですが、まずは自分の症状や原因を把握し、それに合わせた方法で行うことも大切です。
整体院札佳では、患者様一人ひとりの悩みや症状に丁寧に向き合い、根本的な原因からの解決を図ります。
施術と併せて自宅でできる運動療法もご案内しますので、脊柱管狭窄症に不安を抱えている方はぜひご相談ください。
整体院 札佳~sakka~
住所 | 〒063-0003 北海道札幌市西区山の手3条1−3−25−507 |
電話番号 | 080−9822−8927 |
アクセス | 地下鉄東西線 琴似駅より徒歩5分 |
営業時間 | 10:00〜21:00 完全予約制 不定休 |
整体院札佳について、詳しくは以下のページもご覧ください。
https://sapporo-manipulative.com
事前に丁寧なカウンセリングをし、根本的な原因を探ります
整体院札佳では、事前に行うカウンセリングにじっくり時間をかけてから施術を行います。
同じ脊柱管狭窄症の患者様でも、原因や症状は人それぞれ違うため、カウンセリングを通して根本的な原因を探ります。
理学療法士の国家資格を持つ院長(菅原慎平)は、どんな悩みや症状にも向き合う痛み改善のスペシャリストです。
お悩みや聞きたいことなど、納得のいくまでお話しください。
当院で根本改善できる理由について、詳しくは以下のページをご覧ください。
自宅でできる個人に合った運動療法をお伝えします
整体院札佳での施術は、個人の症状に合わせて組み立てられた完全オーダーメイドです。
来院時に行う施術のほかに、自宅で気軽にできる運動療法についても、一人ひとりに合わせてご案内いたします。
痛みを一時的に軽減するのではなく、根本から解決するためには、継続的に運動療法を行うことが重要です。
日常生活指導を徹底し、患者様と共に「整体院に通わなくてもいい体」を目指します。
まとめ
脊柱管狭窄症の予防には、背中や腰に負担をかけないことや、筋肉を柔軟に保つことなどが効果的です。
日常生活で行う動作では、背骨や背骨周りの関節を動かすことを意識し、筋肉が硬くなるのを防ぎましょう。
また、脊柱管を広げるストレッチ、症状が悪化しない程度の運動、腹筋を鍛えるなどの運動療法も、脊柱管狭窄症の予防に有効です。
整体院札佳では、一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドで施術を組み立て、自宅で気軽にできる運動療法もご提案します。
事前に丁寧なカウンセリングを行い、患者様のお悩みや症状に向き合うことで根本的な原因を探ります。
脊柱管狭窄症を予防したい、悪化させたくないとお考えの方は、ぜひ整体院札佳へご相談ください。
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