脊柱管狭窄症の痛みを和らげる有効な薬は?効かない場合の対処法も解説
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- 1. 脊柱管狭窄症の痛みに効く薬~処方箋~
- 1.1. オパルモン(リマプロストアルファデクス)
- 1.2. リリカ(プレガバリン)
- 1.3. タリージェ(ミロガバリン)
- 1.4. 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- 2. 脊柱管狭窄症の痛みに効く薬~市販薬~
- 2.1. 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- 2.2. アセトアミノフェン系
- 2.3. 漢方薬やビタミンB群
- 3. 脊柱管狭窄症のタイプ3つと処方される薬
- 4. 脊柱管狭窄症で薬を服用した際の主な副作用
- 4.1. 長期間の使用による胃腸障害や腎障害などの副作用
- 4.2. めまい、ふらつき、眠気などの副作用
- 4.3. 長期投与では体重が増加する場合も
- 5. 脊柱管狭窄症で薬を服用する際のポイント
- 5.1. 少量から服用する
- 5.2. 運転時には量を抑える
- 5.3. 急に治療薬を止めない
- 5.4. 薬によってはジェネリック医薬品がある
- 6. 薬を服用しても脊柱管狭窄症の痛みが緩和しない場合は整体院へ
- 7. 脊柱管狭窄症の治療なら整体院札佳へ
- 8. まとめ
脊柱管狭窄症の治療の一つとして、薬物療法が挙げられます。薬を服用することでさまざまな効果が期待できますが、副作用が出やすいので注意しなければなりません。
本記事では、脊柱管狭窄症の痛みに効果がある処方箋や市販薬、主な副作用の種類、薬を服用する際のポイントなどを詳しく解説します。
監修:理学療法士・整体院札佳院長 菅原 慎平
脊柱管狭窄症の痛みに効く薬~処方箋~
脊柱管狭窄症とは神経が通っている脊柱管がヘルニアや変形突出などの影響で狭くなり、神経が圧迫されている状態です。60歳以上の高齢者に見られることが多く、脊柱管狭窄症になると腰痛をはじめ、足の痛みやしびれを感じ、症状が悪化すると排尿障害などが起こります。
脊柱管狭窄症と診断されると、飲み薬などによる薬物療法から治療が行われることが多いです。
脊柱管狭窄症の痛みに効果があるといわれており、処方箋で貰える薬は以下の5種類です。
- オパルモン(リマプロストアルファデクス)
- リリカ(プレガバリン)
- タリージェ(ミロガバリン)
- 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
なお、脊柱管狭窄症の症状や原因については以下のページから詳しく確認できます。
『脊柱管狭窄症の症状とは?チェックリストや原因、治療法を紹介』
『脊柱管狭窄症の原因は?やったほうがいいこと・やってはいけないことも解説』
オパルモン(リマプロストアルファデクス)
オパルモン(リマプロストアルファデクス)は、脊柱管狭窄症において用いられる薬剤の一つです。主な作用は、血管を拡張して血流を改善を図り、神経への圧迫が原因で生じる痛みやしびれを緩和することが期待できます。
プロスタグランジンE1は、他の治療薬と組み合わせて使用されることもあり、全体の治療計画の一環として重要な役割を担います。
リリカ(プレガバリン)
リリカ(プレガバリン)は、脊柱管狭窄症に伴う神経障害性疼痛を治療するために用いられる薬です。中枢神経系に作用し、痛みを伝達する神経の活動を抑制することで痛みを軽減します。
脊柱管狭窄症によって引き起こされる足の痛みやしびれに効果が期待でき、多くの患者に処方されている薬です。
タリージェ(ミロガバリン)
タリージェ(ミロガバリン)は、脊柱管狭窄症によるびりびりした電気の走るような神経障害性疼痛に有効な薬剤です。神経の圧迫や障害によって神経伝達物質が放出されると考えられており、タリージェで神経伝達物質の過剰放出を抑えて痛みを和らげます。
リリカ同様、脊柱管狭窄症によって引き起こされる足の痛みやしびれに効果があるといわれており、処方される薬の選択肢になりやすい治療薬です。
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
脊柱管狭窄症の治療において、非ステロイド性消炎鎮痛薬は痛みの管理に広く使用されています。その中でも、イブプロフェンとロキソプロフェンは炎症や痛みを起こす物質を合成する酵素の働きを阻害し、痛みを軽減することが可能です。
NSAIDsの副作用として胃腸障害を起こしやすいことが挙げられますが、近年では胃腸障害を起こしにくい種類が開発されています。
脊柱管狭窄症の痛みに効く薬~市販薬~
脊柱管狭窄症の痛みがつらいものの、日々の生活が忙しくなかなか病院に行けず、市販薬で症状を抑えたいと考える方はいるのではないでしょうか。
脊柱管狭窄症の痛みに効く市販薬として以下の3種類が挙げられます。
- 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- アセトアミノフェン系
- 漢方薬やビタミンB群
ここでは、市販薬の特徴を詳しく解説します。
非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
上記でも解説した非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は、薬局などで購入することが可能です。主な種類としては、「ロキソニン」や「イブ」などが該当します。
ロキソニンにはロキソプロフェンが配合されており、即効性や痛みの緩和が期待できます。一方、イブにはイブプロフェンに加え、鎮静剤の「アリルイソプロピルアセチル尿素」と鎮痛補助薬の「無水カフェイン」が含まれているため、高い鎮痛効果がある薬です。
ロキソプロフェンやイブプロフェンには痛みを抑える効果がありますが、体質などによって効き目が異なるので注意してください。
アセトアミノフェン系
市販されている薬の中で、脊柱管狭窄症の痛みを軽減する助けになるのがアセトアミノフェン系の薬です。主な種類としては、「タイレノール」などが該当します。
アセトアミノフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と比べて胃に優しく、副作用が少ないとされています。空腹時でも服用できる種類があるため、胃腸が弱い方でも服用しやすい薬です。
漢方薬やビタミンB群
非ステロイド性消炎鎮痛薬やアセトアミノフェン系のような即効性はないものの、体に負担をかけずゆっくり治療していきたい場合は漢方薬やビタミンB群の服用がおすすめです。
脊柱管狭窄症に効果が期待できる市販の漢方薬として、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」などが挙げられます。継続的な服用で血行改善や痛み緩和などの効果が期待できますが、漢方薬は人によって効き方が異なるため、個人の体質や症状に合わせて選ぶのが一般的です。
一方、ビタミンB群には神経機能をサポートする役割があります。「ビタミンB1」や「ビタミンB6」、「ビタミンB12」は神経組織の健康を保ち、神経痛の緩和やしびれが改善できることで知られています。ビタミンB群はサプリメントなどで摂取することが可能です。
漢方薬やビタミンB群を服用する前は、登録販売者や専門の医療機関で相談した上での服用をおすすめします。自己判断での摂取は副作用のリスクを伴う場合があるので注意してください。
脊柱管狭窄症のタイプ3つと処方される薬
脊柱管狭窄症には、主に3つのタイプが存在します。
- 馬尾型
- 神経根型
- 混合型
各タイプによってどの神経が狭くなっているかが異なり、症状なども変わります。
ここでは、それぞれのタイプの特徴や処方される薬について具体的に解説します。
馬尾型
馬尾型脊柱管狭窄症は、腰椎にある馬尾と呼ばれる神経束が圧迫されることによって起こる症状です。馬尾型は両足のしびれや脱力感が発生し、場合によっては排尿障害を引き起こします。
馬尾型脊柱管狭窄症の治療には、血流の改善を図るオパルモン(リマプロストアルファデクス)に加え、痛みを伝達する神経の活動を抑制する(プレガバリン)やタリージェ(ミロガバリン)による薬物療法が多いです。
神経根型
神経根型脊柱管狭窄症は、馬尾から左右に分かれた神経根が圧迫されることによって起こる症状です。主に足や臀部に痛みが生じ、片足だけに症状が出やすいのが特徴です。
また、人によってはふくらはぎなどに痛みやしびれがあり、歩き続けるのがつらくなる間欠性跛行が出る場合もあります。
神経根型脊柱管狭窄症の治療には鎮痛作用がある非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)が使用されることが多く、痛みが強い場合は神経のそばに局所麻酔薬を注射する神経ブロックを行うことがあります。
混合型
混合型脊柱管狭窄症は、上述した馬尾型と神経根型の症状が同時に見られる状態です。馬尾や神経根が圧迫されるため、さまざまな症状が混在します。
混合型脊柱管狭窄症の治療には、痛みを抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や血流改善薬であるオパルモン(リマプロストアルファデクス)などを使用した薬物療法が多いです。
症状によって治療薬が異なりますが、薬を組み合わせることで症状のコントロールが可能になります。ただし、服用する薬が多くなるとそれだけ副作用が出やすくなるので注意しなければなりません。
脊柱管狭窄症で薬を服用した際の主な副作用
脊柱管狭窄症の治療の一環として薬を服用する機会は多いですが、副作用が出てしまうことがあります。体質や生活習慣などによっても副作用の出やすさは変わり、全員が同じように副作用が出るとは限りません。
ここでは、主な副作用を解説するので、脊柱管狭窄症の治療薬を服用する際にぜひ役立ててください。
長期間の使用による胃腸障害や腎障害などの副作用
脊柱管狭窄症の痛みを和らげる効果が期待できる非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)ですが、長期間服用すると胃腸障害が起こる場合があります。胃に対して負担が大きいので胃が炎症を起こしやすく、胃潰瘍や出血を引き起こす可能性があります。
また、腎臓に対しても負担をかけやすいため、人によっては腎機能の低下を招いてしまうかもしれません。
胃腸障害や腎障害の副作用を避けるためにも医師の指導のもとで用量を調整し、定期的に血液検査などで異常がないかをチェックすることが大切です。
めまい、ふらつき、眠気などの副作用
足の痛みやしびれを改善するために服用するリリカ(プレガバリン)やタリージェ(ミロガバリン)は他の治療薬と比べて副作用が出やすい傾向にあり、ふらつきやめまい、眠気などの副作用が挙げられます。効果が期待できる反面、副作用に関して理解しておかなければなりません。
リリカやタリージェを服用する際は少量から開始し、徐々に量を増やしていくことで副作用が出にくくなる可能性があります。
長期投与では体重が増加する場合も
上記で触れたリリカ(プレガバリン)やタリージェ(ミロガバリン)ですが、長期間投与すると体重増加などの副作用が出ることがあります。
体重の管理は脊柱管狭窄症を治療する上でも大切な要素です。定期的に体重測定を行い、適切な食事や運動を心がけるようにしましょう。
万が一、心当たりのない体重増加が見られる場合は医師に相談するようにしてください。
脊柱管狭窄症で薬を服用する際のポイント
脊柱管狭窄症で服用する薬は痛みやしびれのつらさを緩和でき、生活の質の維持にもつながるものですが、副作用が出る可能性があることには注意が必要です。治療薬を服用する際は、いかに副作用を抑えて痛みやしびれを軽減するかが使い方のポイントです。
ここでは、脊柱管狭窄症で治療薬を服用する際の押さえておくべきポイントを詳しく紹介します。
少量から服用する
脊柱管狭窄症の治療に用いられる薬は効果的に痛みを和らげられる一方で、副作用のリスクが伴います。特に非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)などは、胃腸障害や腎障害などの副作用が報告されているため、治療開始時には慎重な用量調整が求められます。
脊柱管狭窄症の治療では、始めは体への反応を見ながら少量から服用するのが重要です。少量なので効果は弱くなりますが、徐々に服用していくことで自身の体質や症状に合わせた最適な用量を発見できます。
また、少量からのスタートなら副作用の発生を抑えることにもつながり、体の負担を減らしながら治療することが可能です。
運転時には量を抑える
脊柱管狭窄症の治療薬を服用している際、運転時には量を抑えることが大切です。上述したように神経障害性疼痛治療薬には、めまいやふらつき、眠気などの副作用があります。運転する前に服用すると運転中の集中力を低下させてしまい、事故を起こしてしまう可能性があります。
めまいやふらつきなどの副作用がある治療薬を服用している場合は、運転前に服用する薬の量を調整したり運転の時間帯を避けて薬を服用するなどの対策が必要です。安全運転のためにも、薬の管理には十分に注意しましょう。
急に治療薬を止めない
脊柱管狭窄症で使用される薬を急に服用を止めると体が変化に対応できず、さまざまな不調が生じる離脱症状が出る可能性があります。離脱症状には、頭痛や吐き気、耳鳴り、イライラ、不安など、幅広い症状が挙げられます。
脊柱管狭窄症で服用している治療薬は自己判断で中断したり減薬したりはせず、必ず医師に相談した上で行うようにしてください。
薬によってはジェネリック医薬品がある
脊柱管狭窄症に伴う神経障害性疼痛を緩和するリリカ(プレガバリン)や、血行改善を図るオパルモン(リマプロストアルファデクス)にはジェネリック医薬品(後発医薬品)が市場に出回っています。
ジェネリック医薬品とは、新薬(先発医薬品)の再審査期間や物質(成分)の特許期間が満了したあと、厚生労働省の認可を得て製造販売される医薬品です。新薬と同じ有効成分を含んでおり、価格が抑えられていることが特徴です。
ジェネリック医薬品であれば経済的な負担を軽減でき、長期間にわたる治療が必要な方にとって継続的な治療がしやすくなるでしょう。
薬を服用しても脊柱管狭窄症の痛みが緩和しない場合は整体院へ
治療薬を服用しても脊柱管狭窄症の痛みが緩和しない場合は、整体院に通うことも一つの選択肢です。
整体院では、専門の治療士が一人ひとりの状態に合わせた施術を行い、運動療法やリハビリテーションで痛みを緩和できます。その他にも、生活習慣の改善策や予防策の提案も提供してくれるため、悪化を防ぐことにもつながるでしょう。
整体院に通うことで薬では改善しづらい慢性的な痛みや不快感を解消し、生活の質も向上することが可能です。
なお、以下のページでは脊柱管狭窄症の治し方について詳しく解説しています。
『脊柱管狭窄症の治し方は?自宅でできる予防法ややってはいけないことも紹介』
脊柱管狭窄症の治療なら整体院札佳へ
脊柱管狭窄症の治療は薬物療法に加え、運動療法やリハビリテーションを取り入れることで痛みやしびれを改善しやすくなります。
整体院札佳は、患者様一人ひとりの悩みや症状に合わせた解決策を提案し、「手術より効果的」と推奨される運動療法で根本的な解決を図ります。
施術だけでなく、ご自宅で簡単に行える運動療法や正常な姿勢に近づくためのアプローチも行っているので、脊柱管狭窄症に悩んでいる場合はぜひご相談ください。
整体院 札佳~sakka~
住所 | 〒063-0003 北海道札幌市西区山の手3条1-3-25-507 |
電話番号 | 080-9822-8927 |
アクセス | 地下鉄東西線「琴似駅」より徒歩5分 |
営業時間 | 10:00~21:00 ※完全予約制・不定休 |
整体院札佳に関しては、以下のページでも詳しく確認できます。
まとめ
脊柱管狭窄症の治療の一環として、血行改善を促すオパルモン(リマプロストアルファデクス)や、痛みやしびれを緩和するリリカ(プレガバリン)などを用いた薬物療法が挙げられます。
薬物療法は服用し続けることで、痛みやしびれなどのつらい症状が良くなる可能性があります。ただし、脊柱管狭窄症で使用する薬は副作用が出やすい傾向にあり、正しく服用しなければ副作用に悩まされてしまうかもしれません。
薬を服用してもあまり効果が得られないと感じる場合は、整体院で運動療法やリハビリテーションを通じて治療するのがおすすめです。
整体院札佳では、一人ひとりの症状に合わせて施術を組み立て、自宅でも気軽に行える運動療法を提案しています。
「脊柱管狭窄症のつらい症状を少しでも改善したい」「正しい姿勢を身につけて脊柱管狭窄症を予防したい」と考えている場合は、ぜひ整体院札佳をご検討ください。